少子化フォーラム登壇レポート

2024.02.15

#社会を考える

先日、経営者団体主催の“少子化問題フォーラム”で、理事の山下が登壇者としてお話をいたしました。
昨年6月から運営メンバーとして企画準備を進めていたものです。
女性活躍といえばママの働き方改善、少子化といえば・・・といったステレオタイプではない形で、いろんな人を巻き込んで考えてみようと始まった企画です。

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1.構成
内容は3部構成。
・リレートーク
・パネルディスカッション
・参加者も交えたグループディスカッション

2.登壇者
リレートークは、こども家庭庁の方、しっかり家事する育メン、子どものいない私。
グループディスカッションは、更に
・4人の子持ち
・不妊治療経験者
・普通に結婚出産→産休育休
・何もしてなかったけれど奥さん急逝の後、家事を始めたシングルファーザー
という多様性あるメンバー(皆 経営者という偏りはありますが)。

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リレートーク

私がお話したタイトルは、
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子なしが語る少子化問題
次世代が次世代を“生みたくなる”社会へ
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子どもの有無で分断や対立を生み出したいわけではないのですが、少子化フォーラムで「子どもがいない」つまり少子化にとって諸悪の根源のように言われかねない人を登壇させた&登壇したというのは、とてもチャレンジングな試みなので、あえてタイトルに組むこみました。

WINKの活動をする中で知った「子どものいない人がモヤモヤしていること」や、具体的に不妊治療中&諦めた人の思いのシェア。更に今回初めてお話したのは、私の持っていた“子どもを生み育てること”に対する(マイナスの)心象風景と、思い当たった“その理由”でした。

これから生まれてくる子どもが「子どもを生みたい」と思うには、胎教として、母の胎内にいるときから母親が安心感と明るい未来を感じていることも必要なのでは?
また、子どもが成長する中で「結婚生活辛そう」「子育て大変そう」と感じるからか、実際に今、結婚したくない・子ども欲しくない‥と言う子どもたちが多いようです。

当日は私の前に、子ども家庭庁から「2030年代に入ると、10代20代というこれから子どもを生む世代の人数が格段に減ってしまう」と予想される中、今こそ!と「3.5兆円かけて行う取り組み」のご説明がありましたので、それを受けて。
単に「今、生み育てる」だけでなく、そうやって生み育てられた子どもたちが更に「結婚したい」「子ども欲しい」と思えるような社会・環境を築くことこそが喫緊の問題という投げかけを、私からさせていただきました。

 

パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、いろいろな家族・社会の状況が垣間見えました。とても長くなるので皆さんからのお話は割愛いたしますが、お話の流れで、特別養子縁組にも触れることになりました。

不妊治療を諦めてから特別養子縁組を考え出しても、実は年齢制限があり、そのタイミングからでは難しいケースもあります。
早くからいろんな選択肢を知りながら、動いていった方がよいのですが、、、そもそも、年齢や年収の制限、夫婦揃ってなければならない・・・なんて、制約は必要なのでしょうか?(自分で生む場合は、なんの制限もないのに!)

一連の話には、参加された方から初めて聞いた・知った‥というフィードバックもいただきました。

 

グループディスカッション

リレートークとパネルディスカッションの後には、参加者の皆さんと一緒にグループディスカッションを行ったのですが、実は私の参加したグループで真っ先に上がった声が「少子化で何が悪い?」でした。

これには、私は目から鱗。
しかし一瞬で、「うん。確かに」と納得してしまいました。

納得した背景(理由)というのは、
「右肩上がり」が成長とか幸せとか、ともかく【正】とされてきた20世紀と今とは違います。
ウサギ小屋‥なんて揶揄される環境で暮らす日本人。
江戸時代はもっと人数少なかった、なんていう情報もあります。
AIが発達すれば、人口は少なくてもフォローして貰える部分を期待できますし、自殺したくなる人がいっぱいいる社会はオカシイ・・・・

適正なボリューム感というものに、自然と調整がされているのかも知れないし
盛者必衰。人間だけが‥というのは、エゴなのかも知れません。

 

さて本題に戻ります

少子化で、日本が無くなってしまう!という方がいらっしゃいますが、「無くなってしまう日本」ってなんだ?・・・と考えると、
国際結婚が悪い筈はありませんし、日本に興味を持って、移住や帰化してくださる方がいるのは嬉しいこと。ですので、決して、日本人の遺伝子を遺すことだけが、日本を継続させることではないと思うのです。
さらに、人が足りないから移民を!と、単純に人数だけを確保するのも、日本という場で経済は回り続けるかも知れませんが、日本を遺すこととは違う気がします。

つまり、生物として当然に”種の保存”は死守したいわけですが、私たちが望むのは、ただ頭数が居ればいいってことではないハズ。
単に遺伝子を遺すだけでなく、日本の文化をしっかりと残していくためには、子どもを生んだかどうかではなく、皆で一団となって、分担して社会を築き守っていかないと。

せっかく生まれたのに親に恵まれない子どもたちもいるし
子どもを欲しいと思ったのに、子どもに恵まれなかった人もいる。
子どもより別のことに心血を注ぎたい人もいるし、それによる恩恵は皆が受けることもある。

これからの未来をつくっていくために、誰にも、やること・できることは沢山あります。
さて、自分はこれから何をするのか、何ができるのか!!
そんなことを皆で語りシェアしあう場となりました。

 

個性あふれる方々の集まりに、2時間半は、語るには&知るにはとても短い時間でしたが、大変濃い交流ができました。