【続:レポート】★まちごと万博企画 ★「誰もが働きやすい職場をつくるには ~子どものいる・ いないを越えて~

2025.11.13

#まちごと万博#大和リース#大阪・関西万博

こちらは9月30日に合記載された表題イベントのレポートの続編です。
前編はこちらからお読みください。
【レポート】★まちごと万博企画 ★「誰もが働きやすい職場をつくるには ~子どものいる・ いないを越えて~

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■第2部 対話会(ワールド・カフェ)

第2部では、第1部の内容を受けて、ワールドカフェ形式(※)での対話を行いました。ここからは、講演者である大和リースの佐伯さん、同社インクルージョン推進室長の岸田佐和子さんにも参加いただきました。

※ワールドカフェ:カフェのようにリラックスした雰囲気の中で、4~5人ずつの小グループに分かれて話し合い、一定時間ごとにメンバーを入れ替えながら進める対話アイデアを創出することを目指します。

3つのパート(ラウンド)に分け、それぞれのテーマに沿って話し合いました。また、第2ラウンドでは、メンバーをシャッフル。他のグループでの話を、自グループに持って帰りさらに話を多面的に深める方式で進めました。

<各ラウンドテーマ>

  • 第1ラウンド:基調講演で聞いた事例について、取り入れたいと思ったことは何ですか?一方、疑問や懸念に感じたことは何ですか?
  • 第2ラウンド:疑問や懸念について、どのような解決方法があると思いますか?
  • 第3ラウンド:ラウンド2で考えた解決方法実現のために、私たち一人一人はどんなことができると思いますか?

参加者には育児体験者もいます。また現在管理職の方、独立して事業を行っている方もいて、多様な立場から話し合いがされました。

「これは取り入れたい」という点では、「各人の事情に応じて働き方を選べる制度」や「業務の棚卸を通じて共有する仕組み」といった制度設計に加え、その運用を確実なものにするための「イクボス育成を通じた文化の醸成」などがあげられました。

また、「業務の棚卸と共有の作業は、業務効率化につながるのではないか」「その結果、人員配置の適正化につながるのでは」と副次的効果が期待できるという声も挙げられました。

懸念点については、「制度に甘えてしまう人がいるのではないか」という声がある一方で、「これだけ制度が整備されると、むしろ甘えられないので、厳しいと感じる人もいるのではないか」という意見もありました。加えて、貢献度を評価する管理職側のスキルや責任の重さへの指摘もありました。

その他、シングルマザーなど、制度から漏れてしまう人に対してのフォローの必要性などの指摘もありました。

どこまでの人を制度の範囲とするか、論点になるところかと思います。大和リース様は、あくまで目的に照らして範囲を決めている点が印象的でした。

「公平性」を慮るあまり、制度適用の範囲をどこまでにするかを決めかねて、結局、現状維持となってしまうこともあるかと思います。その意味では、大和リース様の目的に照らして絞るという考え方は、施策を推進には有効であるのではないでしょうか。

■「誰もが活躍する組織」づくりを「経営課題」として取り組むとは

職場の育休等に十の合う業務負担増加について、以前から問題提起してきた立場からすると、大和リース様の取組は、この問題を当初から「経営課題」として取り上げられてきたことが大きな特徴であり、本質的な成果につながるポイントと感じました。

この問題は、長い間「女性同士の対立問題」として扱われてきました。育休取得者の多くが女性であったことと、最近では変わりつつあるものの、日本企業では伝統的に「女性の職場」がまだ多く、育休者の業務カバーは他の女性が担うことがほとんどだったからです。「子育ては女性の仕事であり、子育てで発生する問題も女性同士で解決するもの」と考えられてきました。実際に、過去の調査では「業務負担の相談を上司にしても、とりあげてもらえなかった」という声が複数ありました。

その結果、職場での育休取得者の業務カバーによる負担増加問題は、女性同士の対立問題に矮小化されてきました。子どものいない人が問題提起することに対し、「子どものいる人をやっかんでいるからだ」という分析を識者が行っているのを見たこともあります。逆に、育児中の女性が「育休や時短は職場に迷惑をかけるから」と、退職まで考えて相談を受けたこともあります。その観点で見ると、子どもの有無にかかわらず、女性達は「育児にまつわる問題は女性の問題」という偏見のしわ寄せ被ってきたといえるでしょう。

そうした状況に対し、大和リース様の制度は一石を投じたものと位置付けられます。

育児の負担を男性も共有すること、そして業務のカバーした同僚にはその貢献度合いに応じたボーナスを支給すること。これらは組織全体で育児に伴う業務負担を担っていくことを制度化したものと捉えることができるのではないでしょうか。

もちろん、制度や仕組みだけで風土が醸成できるものではありません。「イクボス」の取組も、長期間にわたり根気よく取り組まれてきました。その取り組みを通じて、結果的に、どのように組織を挙げて欠員のカバーをするかという文化が醸成され、かつ、業務を見直すことが定常化していっている…そうした効果が生まれたように思います。

■おわりに

大和リース様のお話から、多様な人が働くチームを作る上での多大なヒントをいただきました。
事後のアンケートでも以下のような声が寄せられました。

・意見交換できたこと自体がよかった。

・いろいろなを聞けて良かったです
・具体的な事例を教えて頂き、参考になりました。
・リラックスして話せたてよかった。
・今知りたい情報が非常に詳しく手に入れることができた。多様な人と話す中で多くの示唆をいただいた。
・新しい視点でのディスカッションができた。
・育児休職を取得する人の業務をカバーする人へのインセンティブを実際に制度化、実施している企業の生の声を聞くことができた点。
・大和リースさんの取り組みの詳細を伺えた。
・働き方について様々な考えが聞けた。
・ 時間がもっとあっても良いくらい盛り上がりました!
・ワーキング時間がもう少しあれば嬉しかったです。

講演、対話会を通じて、自分だけでは思いつかなかった発想から刺激をいただけたようです。

大和リース様、ならびにサクヤワーキングコミュニティ様、参加者の皆様に改めて感謝申し上げます。