身寄りのない高齢者等問題

2025.06.09

#子どものいない人生#将来の不安に向き合う

「身寄りのない高齢者」という問題が、最近クローズアップされているのをご存知ですか。
これを、分かりやすく図式化してくださったのがこのマップ。今年3月にWINKのシンポジウムでご講演くださった沢村香苗さんが監修されています。

ここでまず気になるのが「身寄りのない」とはなんぞや?ということですが、以下の定義がされています。
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「身寄りのない」とは、家族がいない/頼れない/頼らない方を含む広い概念であり、すでに高齢の方だけでなく、現在40~50代の方にとっても、将来的に切実な課題となり得ます。
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つまり、決して天涯孤独の人ではなく、子どもがいない人に限定されるものでもありません。
非婚率や生涯無子率が年々上がっていたり、子どもがいても遠く海外に住んでいたり。広義での【身寄りのない人】が、今どんどん増えているのです。

一方でこれまでの社会は、パートナーや子どもなど身近な存在が傍に居て&そういった親族が面倒を見てくれるという大前提のもと、様々な制度が構築されています。
手術や入院をするとなると、いざというときの医療同意や身元保証してくれる人を連れてくるように言われます。また、退院後に介護ベッドが必要になったとして、介護ベッドの手配はケアマネさんがしてくれたとしても、ベッドをどこに配置するかを考えて、部屋を片付けてレイアウトを変えてくれる人などは自分で手配しなければならないのです。
「家族」「親戚」といった甘えられる存在がない人はどうすればよいのか。それが自分のことであるならば、そんな事態に備えて何をどうしておくことが必要なのか。

顕著になってきた問題を、その分野で沢山困ってきた方々が整理して議論を始めた‥という今の段階で、これ!という答えはまだありません。
まずは問題を知ること。そして、自分でできること&人に頼めることは、早めに手当てしておくこと。
皆で模索しながら、制度や仕組み、人間関係などを整えていく時期といえます。

明るい未来‥とは言いにくいけれども、少しでも安心して暮らせる社会のために、一緒に考え動いていきましょう。

 

※「本マップは画像販売等の商用利用の場合を除き、自由にご利用いただけます(CC BY-NC)」とのことです。ご参考まで。